農業研究所⑧
稲品種改良の不思議
想定以上の猛暑をつくる
地球温暖化による夏の猛暑の影響で米の品質が大きく低下するようになってきました。猛暑でも高い品質を保持できる品種を育成することが、極めて大切です。そのため想定以上の猛暑を人工的に作り出し、厳しく検査をしています。
稲を4月下旬に植え、早く出穂させ、かなり高い温度で育て、さらに穂の上からビニールを掛け5~6度気温を上げて品質の低下具合を確認。また、夜間の気温が高いほど品質は低下します。人工気象室を利用して、25度以上の連続した熱帯夜で生長させ、稲への影響を調べます。
<出穂期~収穫期>夜温を高める実験
・夜温を25℃に設定した場合に、白未熟粒(白く濁った粒)の割合の差が一番はっきりすることを突き止めました。
・また、「てんたかく」は、どの温度でも白未熟粒の発生が最も少ないことがわかります。