農業研究所④

稲品種改良の不思議

開花日を合わせるための工夫

稲は品種により、出穂時期が異なります。品種改良を行う場合、父親役の稲と母親役の稲の開花日が合わなければ交配ができません。そこで開花日を合わせるために、いくつかの工夫をしています。
一番簡単な方法は、一週間程度ずつ種まきや田植えの時期をずらして栽培する方法です。また、早生品種を遅く開花させるために、冷水がかかる水口付近に植えることもあります。
そのほか、日長をコントロールする方法もあります。稲は短日植物ですので、日に当たる時間が長ければ出穂が遅れ、短ければ早くなります。特に晩生の品種ほど日長の影響を受けやすいので、昼の長さを8時間程度にすれば晩生品種を早く開花させることができます。