農業研究所③
稲品種改良の不思議
除雄された花だけを見つける裏技
稲の1本の穂の中には平均で70~80個の花があります。ほぼ先端から、一週間ほどかけて開花します。交配をしようとする日までに開花した花は、自分の花粉で既に受精済みであるため交配には使えません。そこで、一生に一度だけ咲くという稲の花の特性を生かし、先ほどの「温湯除雄法」を行った後、しばらく放置しておくと今日開花する花だけが開いてきます。この花だけを残して、ほかの花はすべて切り捨ててしまいます。その後、開花した花に目的の花粉をかけてやれば交配は完了するというわけです。