園芸研究所果樹研究センター②

くだものが美味しいわけ

酸味

酸味は、有機酸によるものです。味に濃厚さを与える成分で、成熟に伴って次第にその濃度が低下していく傾向があります。
有機酸の種類としては、リンゴ酸(やや刺激性のあるさわやかな酸味で舌に残る)、クエン酸(おだやかで爽快な酸味)が果実中に広く分布しています。また、酒石酸(少し渋みのあるやや鋭い酸味)など、ある果実に特徴的に多く見出せる有機酸もあります。その酸味の強さは、クエン酸を1とすると、リンゴ酸;1.1~1.2、酒石酸;1.1~1.3となっています。

有機酸の含量は、成熟した果実では0.3~2.0%の範囲のものが多いのですが、ウメ(4~5%)、レモン(6~7%)は極めて高いことから「酸っぱさ」を感じるのです。

また、有機酸の構成比も果実の種類によって異なります。