畜産研究所⑤

牛肉の美味しさと脂肪の関係

「風味」にも関わるオレイン酸

「風味」は味と香りに大別できます。牛肉の味は、赤身の部分に含まれるグルタミン酸などの遊離アミノ酸と、核酸関連物質のイノシン酸の持つうま味に由来する部分が多く、サシの程度が過ぎると赤身が減り、うま味も減ると言われ、適度なサシの状態が良いとされます。
一方、香りは動物に共通する肉様香気に動物種特異臭、水煮臭、ロースト臭などが混ざり合って形成されますが、近年、脂肪中のオレイン酸の割合が高いものほど和牛香(熱を加えた際に生じる好ましい肉様香気)が強くなる傾向があることが分かってきました。