食品研究所③

炭酸ガス

「パン酵母」は、パン生地に含まれる糖を分解して、アルコールと炭酸ガスを生成します。このとき発生した炭酸ガスによってパン生地は膨らみます。

グルテン

炭酸ガスがパン生地から抜けてしまうと、パンは膨らみません。炭酸ガスを逃がさないためには、小麦粉に含まれるグルテンの存在が重要となります。グルテンは粘り気に富んだタンパク質で、炭酸ガスを包み込んで伸びることによって、ふっくらとしたパン特有の食感を作り出します。パンはこのように酵母と小麦粉に含まれるグルテンの働きを利用して作られています。小麦粉の種類には、薄力粉・中力粉・強力粉とありますが、それぞれの違いは、グルテンの含有量。パン作りに用いられるのはこの中で最もグルテンの量が多い強力粉です。でんぷん(コーンスターチや片栗粉)は一見すると強力粉(小麦粉)とよく似ています。しかし、これに酵母等を加えてもパンはできません。なぜなら、でんぷんにはグルテンが含まれていないからです。