園芸研究所果樹研究センター⑤
くだものが美味しいわけ
美味しさのバランス
5つの中でも特に甘味と酸味が品質を左右する大きな要素で、糖と酸の調和のとれた味が最も好まれています。
人間の味覚は、糖のもつ甘味に対しては寛大で、糖含量の高いほど嗜好度も高まりますが、酸味に対しては極めて厳しく、ある濃度を境にしてそれ以上になると急激に嗜好性が低下する傾向をもっています。やはり、果実の美味しさも成分のバランス次第なのです。
同じナシでも幸水と豊水では味が違い、ブドウでも巨峰、マスカット、デラウェアではそれぞれ違う味がします。いろんな果物、いろんな品種を食べ比べて、自分の好みを見つけることが美味しい果実を食べる秘訣なのです。
<参考文献>
伊藤三郎編(1991)果実の科学.朝倉書店
間苧谷徹、田中敬一著(2003)くだもののはたらき.日本園芸農業協同組合連合会