令和8年1月26日(月)
本年度の研究成果発表会は「ヤナギの生態とその活用」をテーマに、県内におけるヤナギ類の分布・分類に関する基礎的な知見をはじめ、次世代バイオマス作物としての活用に向けた最新の試験成果など、当所の取り組みを幅広く紹介しました。
研究成果発表
『富山県に自生する在来ヤナギ類13種の分布特性と見分け方』
森林環境課長 中島 春樹
ヤナギ類は旺盛な初期成長を示す先駆樹種であり、枝の直挿し造林が可能なため、治山緑化植物や木質バイオマス資源用の作物として注目されています。しかしながら、ヤナギは形態が似通っていることから種の識別が難しく、これまで詳細な分布情報などは整理されていませんでした。このことから、本研究では在来ヤナギ類13種(高木8種、低木5種)の同定を容易にするための見分け方を整理するとともに、各種が生育する位置情報を解析し、標高と乾湿度などからそれらの分布特性を明らかにしました。

『ヤナギ類13種における挿し穂の発根性評価』
森林環境課 岡山 侑子
ヤナギ類は一般に枝の発根性が高いとされているため、治山緑化植物や木質バイオマス資源作物として事業地に導入する際には、苗は利用せず、枝を挿し穂としてそのまま事業地に挿し付けます。しかし、樹種や季節による発根性の違いは明らかでなかったため、本研究では、富山県に分布する主要なヤナギ類13種から夏季と秋季に挿し穂を採取し、発根性を調査したので報告します。

『地域産ヤナギ類によるバイオマス発電向け燃材生産の可能性』
所長 図子 光太郎
化石燃料から再生可能エネルギーへの転換は、カーボンニュートラルの実現に向けた最重要課題の一つであり、森林・林業分野においては木質バイオマスのエネルギー利用推進が強く求められています。こうした中、旺盛な成長力を有するヤナギ類は、バイオマス資源作物として大きな注目を集めています。本発表では、当県における発電所向けバイオマス燃料生産の可能性を検証するため、中山間地域の耕作放棄地で実施したヤナギ類の「超短伐期栽培」の検証結果について報告します。

特別講演:
『ヤナギを用いた超短伐期萌芽再生法による木質バイオマスの生産』
-先進国(北欧)の事例と北海道での研究成果-
森林総合研究所 国際連携推進室室長 原山 尚徳
