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スギ花粉情報
令和5年 スギ花粉の本格的な飛散シーズンが始まりました。 2月27日
2月27日に、海沿いと森林研究所にあるスギの標準木で開花が確認されました。よって、これからスギ花粉が連続的に観測されるようになります。2月の気温が平年よりやや低く推移したため、予想(2月24日)よりも3日遅い開花となりました。また、昨年(3月4日)と比べると5日早い開花となりました。
今後、花粉の飛散数は徐々に増加していき、3月中旬に飛散のピークになると思われます。その後は、徐々に減少し、4月上旬になる頃に概ね終息するでしょう。
花粉飛散数の予測は「あすのスギ花粉飛散」をご覧下さい。
令和5年のスギ花粉の飛散開始日は「2月23日」前後になると予想されます。
※ 今年のスギ花粉の飛散開始日は2月23日前後で、昨年(3月4日)より9日ほど早くなると予想されます。
花粉を放出するスギの雄花は、冬期の低温を経験した後、毎日少しずつ成長して、一定の積算温度(日℃)に達すると開花して花粉を飛散し始めます。このことから、スギの開花は1月と2月の気温に大きく左右され、この間の平均気温が高ければ開花は早まり、低ければ遅くなります(表1)。この開花のメカニズムを利用することによって、スギの花粉飛散開始日を予測することができます。
平野部の観測定点のスギ林から雄花の着いた枝を採取してきて、15℃に設定した人工気象器を用いて実験した結果、1月20日からの積算温度が105日℃で開花しました。このことから、今後の気温が平年並み(平成3~令和3年の平均値)に推移した場合、2月23日頃に開花し、花粉の本格的な飛散が始まると予想されます(図1)。これは、昨年(3月4日)より9日ほど早く、過去の平均(2月25日)より2日程度、早い開花予想となります。
富山地方気象台によると、向こう2週間の気温は低くなると予想されていることから、開花がやや遅くなる可能性もありますので、ご注意下さい。
また、予想されるスギ花粉の飛散パターンは、図2のとおりです。
・次回の「スギ花粉情報(3) -スギ花粉飛散開始日の予想(2回目)-」は、2月10日頃を予定しています。
令和5年のスギ花粉飛散量は「やや少なくなる」予想
令和5年のスギ花粉飛散量は、やや少なくなると予測され、2月~4月のシーズン中に平野部で1cm2当たり2,800個程度の見込みです。これは、花粉飛散の調査を開始した平成3年から令和4年までの平均値(3,179個 / cm2)の90%程度で、令和4年(5,117個 / cm2)の60%程度の飛散量となります。
スギ花粉の飛散量は、11月下旬に県内11箇所で行ったスギ雄花の着花量調査(注)の結果から予測されますが、図に示したように飛散量は年によって大きく違います。スギの花粉飛散量は雄花が着花し始める夏(7,8月)の天候に強く影響を受け、日照時間が多い年ほど着花量が増加する傾向があります。令和4年の7,8月の平均日照時間は167.2時間で、平年(178.9時間)より11時間程度少なくなりました。このことから、雄花の着花には適さない気候となり、平年よりもやや少ない着花量になったと考えられます。
スギ花粉の飛散量は、近接するスギ林までの距離や風向きなどの影響を強く受けるため、場所によって大きく異なります。本県の場合、スギ林が集中している山沿いの地域で飛散量は多く、海岸線に向かうに従って減少する傾向にありますが、平野部でもスギ林に隣接した場所では、予想をはるかに超える花粉が飛散することもありますので注意が必要です。
スギ花粉の飛散パターン
例年、スギ花粉は2月中旬から連続的に観測されるようになり、3月上旬から中旬にかけて飛散の最盛期になります。晴れて風の強い日には、1日に観測される花粉数が1cm2当たり50個以上になることもあります。3月下旬から花粉飛散量は次第に減少し、4月の中旬にほぼ終息します。
スギ花粉の飛散開始日については、次回のスギ花粉情報(1月下旬予定)でお知らせします。
なお、スギ花粉飛散量は降水、風速及び風向といった気象条件によって大きく変化します。今後のスギ花粉予報に留意して、次に述べる予防対策をとることが重要です。
花粉症の予防対策
スギ花粉症は、花粉中の抗原(特定のタンパク質)によって引き起こされるアレルギー症状です。このため、スギ花粉との接触を出来るだけ回避し、スギ花粉と接しても症状を起こさないように対処する必要があります。また、スギ花粉症は症状がひどくなってからでは軽減するのは難しいので、予防や早期治療に努めることが何より重要です。
スギ花粉症予防のポイントをまとめると以下のようになります。
(1)スギ花粉シーズン前に予防対策をとること
例年、スギ花粉は2月中旬頃から連続的に観測されます。この飛散が始まる2週間前から抗アレルギ-剤等を服用することによってシーズン中の症状を軽減することができます。次回(1月下旬)、飛散開始日の予報を発表しますので、医師と相談のうえ対処して下さい。
(2)スギ花粉の大量飛散日は外出を避けること
3月上旬から下旬までの間はスギ花粉の飛散最盛期にあたり、この間の晴れた日や風の強い日に大量の花粉が飛散します。このような日に外出すると、大量の花粉を吸い症状が著しく悪化しますので、やむを得ず外出する場合は、マスクやめがね等の着用を心がけて下さい。
(3)室内への花粉の侵入を防ぐこと
スギ花粉シーズン中に窓などを開放すると、室内に花粉が侵入し、花粉症を悪化させる原因となります。一方、屋外で長時間作業をした場合には、着衣にも花粉が付着していますので、ブラシなどで花粉を払い落として屋内に入るようにして下さい。ふとんや洗濯物を外に干すことも、室内に花粉を持ち込むことになりますので避けて下さい。
(4)花粉症の症状が出た場合には速やかに医師と相談すること
花粉症は風邪の症状と混同されやすいため、治療が遅れがちとなります。くしゃみ、鼻水、眼のかゆみといった症状が花粉シーズン中に認められた場合、花粉症の可能性もありますので、速やかに医師と相談し早期治療に努めることが肝要です。