令和7年 スギ花粉情報(1)

~来春のスギ花粉飛散量は例年より 「多くなる」 見込み~

1. 富山県内におけるスギ花粉の総飛散量 

 令和7年のスギ花粉飛散量は、2月~4月のシーズン中に平野部で1cm2当たり5,200個程度と例年より多くなる見込みです。これは、花粉飛散の調査を開始した平成3年から令和6年までの平均値(3,402個/cm2)の1.5倍程度です。(令和6年 5,652個/cm2 と同程度)

2. スギ花粉飛散量の増減因子

 スギ花粉飛散量は、11月下旬に県内11箇所で行ったスギ雄花の着花量調査(注)の結果から予測されますが、図に示したように飛散量は年によって大きく変動します。スギ花粉飛散量は雄花が着花し始める夏(7,8月)の天候に強く影響を受け、日照時間が多い年ほど着花量が増加する傾向があります。令和6年の7,8月の平均日照時間は195.4時間で、例年(180.7時間)より15時間程度多くなりました。このことから、雄花の着花には適した気候となり、例年よりも多い着花量になったと考えられます。

スギ花粉飛散量は、近接するスギ林までの距離や風向きなどの影響を強く受けるため、場所によって大きく異なります。本県の場合、スギ林が集中している山沿いの地域で飛散量は多く、海岸線に向かうに従って減少する傾向にありますが、平野部でもスギ林に隣接した場所では、予想をはるかに超える花粉が飛散することもありますので注意が必要です。

3. スギ花粉の飛散パターン

  例年、スギ花粉は2月下旬から連続的に観測されるようになり、3月上旬から中旬にかけて飛散の最盛期になります。晴れて風の強い日には、1日に観測される花粉数が1cm2当たり100個以上になることもあります。3月下旬から花粉飛散量は次第に減少し、4月上旬にほぼ終息します。

◎花粉飛散開始日については、次回のスギ花粉情報(1月下旬予定)でお知らせします。

(注)スギ雄花の着花量調査・・・県内各地の見通しの良いスギ林11箇所を観測定点として選び、11月下旬に各定点につき20本のスギの着花状況を4段階(3点-木全体に着花が多い、2点-部分的に多くの着花が認められる。1点-着花は認められるが少ない。0点-着花が認められない)で評価し指数化する。その値を集計して、1シーズンあたりの花粉飛散量を予測する。